システム・エンジニアリング:三上 航人
GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)が明らかにしたように、急成長し巨大化したIT企業や、それらの主体が加速的に推し進めた情報技術の発達は、知識欲や物欲、承認欲求など、現代人の様々な欲望を余すことなく吸い上げ、保存し、構築されたデータベースによって成し遂げられている。より高度な「知性」とされるシステムは、それらのデータを礎に組み上げられる。
欲望の渦から精錬された知性は、リコメンド機能に代表されるように、多くのオンラインサービスの裏側で暗躍しており、人々は半ば思考停止状態で神に教えを請うように、巧みに編集され、提供される情報を教授している。それらのある種、私たちにとって他者のようなシステムは、現段階において生身の人間のような意思を持つことはなく、自らは欲(煩悩)を持たず、それは解脱した仏のような存在に思える。
一方、現行のあらゆるテクノロジーは、合理主義的なデカルトの哲学をベースに、産業革命やモダニズムを経由して現在の状況に至っており、つまり極めて西洋的な思想で成立していると言える。本作では、西洋思想を基に構築された現代の「不可視の神」(=Googleが開発した機械学習のためのソフトウェアライブラリ)を東洋思想の象徴である仏の姿として表出することを試み、古今東西の「知」について非言語的に語り、「知」の本質について考察する。ENCOUNTERS
System Engineering: Shuto Mikami
Solo Exhibition “_prayground” at rin art association
Photo by Shinya Kigure
Collaboration work with NAZE
Group Exhibition “Daen no Tsukurikata” at ANB Tokyo
Group Exhibition “I am here by WAITINGROOM” at CADAN Yurakucho
Photo by Osamu Sakamoto